シニアの方が懸念する病気のひとつに、認知症があります。
日本では高齢化に伴い、認知症になる人も急速に増えているのが現状。ニュースなどを見て認知症を身近な病気と感じている人も多いのではないでしょうか?
残念ながら今の医学では、認知症を100%予防できる方法はありません。
しかしながら認知症の発祥にはいくつかの危険因子が関わっているという所までわかっています。
そして危険分子の中には加齢や遺伝的要素など避けられないものがあるものの、多くはライフスタイルを見なおすことで発祥リスクを減らすことが可能です。
このページでは、認知症予防・ボケ防止に効くとされているオススメの方法を紹介します。
いずれも簡単にすぐ取り組めるものばかりですので、ぜひ参考にしてください。
目次
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食生活の見直しは認知症にとって、とても大事なポイントです。
前提となるのは、「栄養バランスのとれた食事」を「1日3食、規則正しく食べる」。そして「食べ過ぎない」ことです。
バランスのよい食事とは、糖質(炭水化物)・たんぱく質・脂質の3大栄養素と、ビタミン・ミネラル・食物繊維を過不足なくとるということ。
最近は高齢者向けに、栄養バランスがとれたお弁当を宅配してくれるサービスもあるので、活用してみると便利。また足りない栄養素はサプリメントで補うのもよいですね。
モノを噛むことで脳に刺激を与え、活性化することが研究によりわかっています。
また厚生労働省の調査によると、歯がほとんどない人は残存歯が20本以上ある人に比べて、1.9倍も認知症発生リスクが高いという結果がでました。
入れ歯やインプラントでも脳は刺激しますので、歯を整えたうえでしっかりと噛むことに意識を向けましょう。
発芽玄米はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富。そして認知症予防に効果的といわれるフェルラ酸を含んでいる点が大きな特徴です。
フェルラ酸は認知症発祥原因のひとつである、リン酸化タウタンパク質の蓄積を低下させる作用があります。
この作用は、発芽米を販売しているファンケルが2016年にフェルラ酸の新機能として発見。話題を呼びました。
お米は毎日食べるものですので、食生活の改善に大きくつながります。
ボケない食品を総動員したのが、カレー。
国民食となっているインドはアルツハイマー型認知症が少なく、米国と比べて患者の割合は4分の1というデータがあるほどです。
中でも注目したいのが、代表的なスパイスであるターメリック。
ターメリックに含まれるクルクミンという成分は、認知症予防に働くと考えられています。
一見「肉を食べることは認知症によくないのでは?」という印象をもつ方がいるかもしれません。
しかし最近では、70歳以上の5人に1人が栄養失調になっていることがわかっています。栄養不足は認知症の前段である認知機能の低下を引き起こすリスクが、2倍に上がるそうです。
そこで厚生労働省は2013年に健康づくりの指針見直しを実施。
国は「65歳以上の方は、肉などのたんぱく質を積極的に摂ること」を推奨しています。
認知症予防としてオススメの肉が「豚のヒレ肉」と「鶏のムネ肉」です。
豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれ、牛肉と比べてもその量は10倍。さらにヒレ肉は他の部位と比べても2倍含まれています。
「鶏のムネ肉が認知症によい」という点は、テレビの情報番組でも放送されました。
鶏のムネ肉には、イミダゾールジペプチドという成分が多く含まれています。
イミダゾールジペプチドは、記憶力や脳内機能をアップさせる効果があるのです。同時に抗酸化作用があり、脳疲労の原因の活性酸素を除去する働きもあります。
青魚に多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)がポイント。DHAは脳に大きな影響を与えるといわれています。
脳の神経細胞は生まれてから増えることはなく、年とともに減少。
しかしDHAを十分にとり絶えず脳に刺激を与えると、残った神経細胞を活性化できるのです。
2008年にマルハニチロと島根大学が共同で行った調査では、DHAの認知症予防に対する効果が確認されています。
DHAを多く含む魚としては、いわしやサバ、さんま、アジ、クロマグロなどが挙げられますね。
納豆は大豆からできており、大豆に含まれるレシチンという成分は脳細胞の破壊を防ぎ、認知症を予防する効果があるとされています。
さらに発酵時に作られるナットウキナーゼにも注目。
ナットウキナーゼには動脈硬化を改善して血管の状態をよくする作用があり、認知症予防にも直結します。
血流は睡眠中に滞りがちになるため、夕食時にとるのがオススメです。
アーモンドやピーナッツなどのナッツ類は、認知症予防に役立つ食材として知られています。
ビタミンEなどの抗酸化物質が多く含まれている点が要因。活性酵素によって脳が酸化して、機能が衰えるのを防いでくれるのです。
そしてナッツの中でもとくにオススメしたいのがクルミ。クルミは古くから「ブレインフード」として知られています。
クルミにはα-リノレン酸という成分が含まれており、体内でDHA・EPAという栄養素に変化。DHA・EPAが神経細胞を活性化して脳の栄養として働くため、認知症予防に期待ができるのです。
実際にアメリカの健康栄養調査では、クルミを1日13g以上食べることで、アルツハイマー型認知症を予防するのに効果があることが証明されました。
中国においては四大珍味のひとつといわれているヤマブシタケは、「多機能型スーパーキノコ」として注目を浴びています。
ヤマブシタケにはヘリセノンという脳を活性化させる成分が含まれており、認知症の特効薬になるのではとされているのです。
アルツハイマー型認知症は、主に脳にある神経細胞(ニューロン)の消失によって引き起こされます。そしてそれを防ぐのがNGF(神経細胞成長因子)。
ヘリセノンはNGFに栄養を与える作用があり、二ユーロンの消失を防ぐことにつながっています。現在ヘリセノンは、認知症に高い効果があるとされているのです。
アルツハイマー型認知症の原因のひとつとして現在考えられているのが、アセチルコリンという神経伝達物質の合成力低下です。
アセチルコリンが減少することで大脳の情報伝達に障害が起こり、ボケ症状が現れるとされています。
そしてアセチルコリンを増やす作用がある食品として注目されているのが、卵なのです。
アセチルコリンは、レシチンという物質の主要成分コリンを原料にして合成されます。卵の黄身にはこのコリンが豊富に含まれているのです。
さらにビタミンB12も合わせてとることで、脳内のアセチルコリンの濃度が上昇します。
実際に高知医学大学がアルツハイマー型認知症の患者に実験を実施。7名中5人が卵黄コリンとビタミンB12を12週間与えて、ボケ症状の改善が見られたという結果が出ています。
東京大学大学院とキリン株式会社・小岩井乳業株式会社は、カマンベールチーズに含まれる成分が、アルツハイマー型認知症を予防する効果があることを発見しました。
アルツハイマーの原因のひとつがアミロイドβと呼ばれる、たんぱく質がたまったもの。
アミロイドβというタンパク質が脳に発生し、排出されずに脳神経細胞の外側に沈着することによって、脳機能が低下すると考えられています。
そして今回の発見において、カマンベールチーズには「オレイン酸アミド」と「デヒドロエルゴステロール」という、アミロイドβを抑えてくれる2つの成分が含まれているとわかったのです。
認知症専門医の榎本睦郎先生によると、カマンベールチーズを効果的に食べるには1日1〜2切れを目安にするとよいそうですよ。
西南医科大学(中国)の研究で、野菜・果物を食べることが多い人は認知症になることが少ないという結果が出ました。
31,000人超を対象に調査を実施。野菜・果物を多く食べると、認知障害や認知症になるリスクが20%低下したのです。
さらに野菜・果物を食べる量が1日あたり100g増えるごとに、認知障害や認知症になるリスクが13%ほど下がるという結果もでています。
ただし65歳以上で男女を分けずに分析した場合のみ、この傾向が出ているとのことです。
数ある野菜の中でもっとも認知症予防に効果があるとされているのが、ブロッコリーです。
ブロッコリーは認知症予防に有効な抗酸化作用をもつファイトケミカルを、200種類も含んでいます。
脳は神経細胞が減少すると、記憶力が衰えたり思考力が低下することに。そして神経細胞は加齢とともに減ると同時に、活性酸素のダメージを受けることでも減少してしまうのです。
ファイトケミカルは活性酸素のダメージを防ぐ、抗酸化力をアップする手助けが期待されている注目の成分。
「たんぱく質」「炭水化物」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」に次ぐ、第7の栄養素ともいわれているほどです。
ブロッコリーの栄養素を活かすには生のまま食べるのが一番。加熱によって壊れたり、水に溶けて流れたりしてしまうので注意しましょう。
「認知症は水で治る!」の著書、国際医療福祉大学大学院教授の竹内孝仁さんによると、水の量と物忘れの度合いは完全にリンクするそうです。
認知症になる高齢者のほとんどが、意識がぼんやりしている状態。
体から水分が1%減ってしまうと、体全体の細胞を正常に機能させることができなくなる。そのため意識が朦朧としてしまうのです。
この状態が続くと、物忘れが続くようになり本格的に認知症が始まってしまう。
実際に竹内さんが65歳以上の人に行った実証実験では、1日にコップ3杯しか水を飲まない人は、6杯以上飲む人よりも5%程度物忘れが多いということが判明しています。
毎日水を飲むことを習慣にしましょう。
東北大学医学部の研究グループが行った研究で、「緑茶の摂取量が多い人は認知症になりにくい可能性がある」という報告がありました。
65歳以上の高齢者13,645名を対象に、お茶の摂取量と認知症機能スコアを調査。
1日に5杯以上緑茶を飲む人は1杯未満の人と比較して、27%も認知症発症リスクが低かったのです。またウーロン茶や紅茶ではこの傾向は見られなかったとのこと。
成分としては、カテキンに含まれるエプガロカテキンガレードに注目。アルツハイマー型認知症の治療や予防に役立つとされています。
豆乳には認知症を予防する、レシチンという栄養成分が含まれています。
レシチンとその構成成分のコリンには、脳を活性化させる作用が。
レシチンは脳の神経細胞の材料に、コリンは神経伝達物質になります。
記憶力や集中力を高める効果があり、物忘れなどの脳の老化や認知症予防に役立つとされているのです。
株式会社明治と公益社団法人久山生活習慣病研究所が共同で行った調査において、「牛乳・乳製品の摂取が、アルツハイマー型認知症に有効である」と発表しました。
60歳以上の1081人を対象に、牛乳・乳製品の摂取量を調査。17年間追跡を行った後、牛乳・乳製品を多くとる人のグループは、アルツハイマー病の発症リスクが低いことが確認できたのです。
認知症を高めるリスクのひとつに、「インスリンの効きの悪さ(インスリン抵抗性)」があります。
牛乳に含まれる乳タンパクには、その改善効果があると予測されているのです。
キリン株式会社などの研究チームの発表では、ビールの苦み成分であるイソα酸に、認知症の予防効果があると発見しました。ビールが認知症によいというのは、意外ですね。
キリンによると、イソα酸に脳内の免疫細胞「ミクログリア」を活性化させ、アルツハイマー型認知症の原因物質とされている「βアミロイド」を除去する作用がみられたとのこと。
実際にアルツハイマー型認知症のマウスを使って実験。イソα酸を含んだ飼料を食べたマウスは、脳内の炎症緩和が確認されたそうです。
もちろんビールの飲み過ぎは別の面で悪影響がでてきます。適量を摂取するようにしましょう。
認知症に優しい世界を目指すNPO法人「ハートリング運動」は、認知症予防にチューイングガムが有効であると発表しています。
医学博士の小野塚實さんは、噛んだ時に起こる脳の状態を知るためにガムを使った実験を実施。
マウスを使って調べたところ、噛まないと海馬の働きが衰えることがわかりました。さらに人間による実験では、高齢者になるほどガムを噛むと脳が活性化していることも発見しています。
海馬は神経細胞の中でもとくにもろくて壊れやすく、認知症の人の脳を調べると海馬が顕著に委縮していることが多いです。
よってガムを噛むことで、海馬の崩壊を遅らせる効果があるとされています。
株式会社明治と内閣府の共同検証によって、高カカオチョコレートに脳の若返り効果があることが判明されました。
チョコレートに多く含まれる、カカオポリフェノールがその原因。
カカオポリフェノールには、脳の栄養素といわれる「BDNF(脳由来神経栄養因子)」を増やす効果があるのです。
BDNFは、記憶を支配する海馬の調子を良くする作用があります。脳を老化させないということですね。
ポリフェノールは、ココアや赤ワインにも含まれています。
認知機能の改善が期待されるという研究報告がなされ、世界的な注目を浴びているのが「プラズマローゲン」という成分です。
プラズマローゲンは、もともと人間の体に存在しているリン脂質の一種。
神経細胞は酸化を受けて劣化するのですが、その劣化を守ってくれる抗酸化作用をもっています。
脳の働きに欠かせない成分ですが、年齢とともに失われがちになる傾向が。もの忘れの原因は、プラズマローゲンの減少も一因であるといわれています。
プラズマローゲンに関し、九州大学名誉教授の藤野武彦先生は、ホタテ由来精製プラズマローゲンの経口投与による実験を実施。記憶機能の改善が示唆されています。
現在は国産ホタテを利用した認知対策サプリメントも発売されるようになりました。
認知症対策で注目したい成分のひとつが、レスベラトロールです。
レスベラトロールは、ブドウの茎や皮などから抽出されるエキスの中に微量に含まれる成分。ポリフェノールの一種で、赤ワインやピーナッツの渋皮などにも含まれています。
レスベラトロールは、アルツハイマーの原因であるアミロイドβペプチドの分解を促進する作用をもつという報告があるのです。
マウスを使った実験では、赤ワインを飲んだマウスは次第にゴールを覚え、日に日にタイムが短くなったという結果が。
レスベラトロールが、脳内の短期記憶や学習機能に関わる神経細胞の機能を改善させたからではと結論付けられています。
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認知症予防に運動が効果的な理由は主に2点。アルツハイマー病の原因物質といわれるアミロイドβを分解するネプリライシンという酵素が増える点。
そして筋肉の細胞がイリシンという成分を分泌。イリシンの作用により脳を活性化する、BDNFを増やす点です。
有酸素運動のなかでももっとも気軽に楽しめるのが、ウォーキング。運動により血流も増えて脳の働きが活性化されます。
1日30分程度、週3〜4回を目安に習慣として続けることが重要。雨の日など外出ができない時は、踏台昇降ボックスの利用をオススメします。
筋力の低下を防ぐことも、認知症予防につながります。なぜなら転倒による「寝たきり」を回避するためです。
寝たきり状態になると、脳への刺激は極端に減ってしまいます。脳の機能低下は認知症が一気に進行してしまうリスクをはらんでいるというわけです。
そこでオススメなのが、国立長寿医療研究センターが開発したコグニサイズ。
コグニサイズは、英語のcognition (認知) とexercise (運動) を組み合わせた造語です。
足ふみやマルチステップを行いながら、頭と体を使って簡単に取り組めます。
興味のある方は書籍が出ていますので、ぜひチャレンジしてみてください。
体力に自信のある方は、筋力トレーニングにチャレンジしてみましょう。ムリのない範囲で行うだけでも、効果があります。
オススメのトレーニング法は以下の通りです。
壁や机などにつかまり、目を開けて床につかない程度に片足を上げて1分間静止。「左右1分づつ×3セット」が1日の目安です。
足を肩幅より少し広げて、つま先は30度くらい開いて立つ。そして椅子に腰かけるイメージで股関節とひざを曲げます。「5〜6回×3セット」が目安。
腰に手をあて、両足をそろえて立ちます。足をゆっきり大きく一歩、前に踏み出す。太ももが水平になるくらい腰を深く落とした後、元に戻します。「左右各5〜10回×2〜3セット」が目安。
認知症予防向けにさまざまな体操が開発されているので、活用してみるのもよいでしょう。とくにオススメの体操法としては以下の2つがあります。
体の左右で同時に別々の動きをする体操です。たとえば右手をグーの形に握って胸に当て、同時に左手は前に突き出してパーの形に開くといった具合。
頭と体を使うので、脳にもよい刺激を与えるというわけです。
筑波大学教授の征矢英昭博士が、楽しみながら認知症を予防できる体操として考案。
音楽に合わせながらリズミカルに体全体を動かす。そしてその時に手を一緒に動かすのです。このようにすることで、脳の広い範囲を活性化させることが可能になります。
テレビ番組「たけしの家庭の医学」でも放送された、認知症予防エクササイズ。
脳内神経のスムーズな伝達には、NGFという物質が不可欠。NGFが不足すると神経の伝達がうまく行かなくなり、もの忘れの症状が出てしまうのです。
NGFを増やすには、脳内の血行をよくすることが必要。そして血行をよくしてくれるのが、タオルマッサージなのです。
タオルマッサージの方法はとても簡単で、1日10分好きな時間に以下のように取り組みます。
タオルが落ちない程度の軽い力で大丈夫。
「たけしの家庭の医学」では、70代の男性が一週間マッサージに取り組み、NGFの量が倍に増え、記憶力も劇的に改善されていました。
国立長寿医療センターなどが2016年から、ゴルフが認知症予防におよぼす影響について検証を開始しています。
ゴルフは脳トレスポーツであり前頭葉を刺激して活性化できるため、認知症を防ぐのによいのではと考えられているのです。
またゴルフは18ホールをまわることで、約13,000歩もあるきます。有酸素運動にも最適というわけです。スイングは筋力アップにもつながりますしね。
検証結果が楽しみですが、体にも脳にもよいのがゴルフなのです。
自転車に乗ることはウォーキングと同様、よい有酸素運動になります。
アルツハイマー病予防に関する世界各国の大規模研究を分析した、筑波大学病院精神神経科教授の朝田隆医師によると、認知機能の低下に対し効果があると評価できるのは、「運動習慣」のみだったそうです。
目安としては2週間に1回、30分以上行うこと。楽しみながらとりくむレジャーアクティビティをオススメしています。
脳トレ本の執筆や脳トレゲーム開発でおなじみの川島隆太教授は、ヤマハ発動機との共同研究により「ギア付きの大型バイクに趣味で週1、2度乗ることは、認知機能とメンタルヘルスによい影響がある」と2011年に発表しました。
バイク購入者とスクーター購入者を比べてみたところ、認知スピードはバイク購入者のみ改善していることが判明したのです。
クラッチ操作を続けることが、脳にとって有効だと川島さんは分析しています。
バイク免許がある人は、ムリをしない範囲でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
社交ダンスが認知症リスクを下げるという論文は、多数存在しています。
最近でも2017年にアメリカのコロラド州立大学Burzynska博士が、さまざまな活動が高齢者の脳に与える影響について調査しました。
調査は、60〜79歳までの健康な174人に実施。「ウォーキング」「ダンス」「ウォーキングと栄養指導」「筋トレ」の4つのグループに分けて、それぞれの運動を半年間行い体の変化を追ったのです。
ダンスを行ったグループで顕著だったのは、記憶の固定や記憶を呼び覚ますために重要な役割とされる、脳弓という部分の機能を維持する効果が高かったこと。
脳弓の先端は海馬につながっており、ウォーキングや筋トレにくらべて脳の構造維持に効果的というわけです。ダンスは「動く脳トレ」ともいえますね。
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以前「脳を鍛える大人の○○」といったゲーム・ソフトが話題になり、一時は脳トレブームが起こりました。
しかし実のところ「脳トレは、認知症予防のために役に立つのか?」というと、効果は不明というのが現状なのだそうです。
たとえばロンドン大学などの研究グループが行った調査では、脳トレを続けたグループとやっていないグループとでは、論理的思考力や記憶力において差は見られなかったと発表しています。
しかしながらおもしろいと思って取り組むのであれば、「楽しむことが脳によい影響を与える」ため効果は十分。
逆に「脳のために」と強制的に嫌々やるのでは意味がないということです。やるのであれば、楽しく取り組んでみることが前提になりますね。
囲碁・将棋・麻雀などのゲームは、思考力や注意力、集中力を必要とするため脳によい刺激となります。
正式に「認知症予防に有効」という証明はありませんが、十分にオススメできる方法なのです。
そしてさらに重要なのが、本人が「おもしろい」「楽しい」と思えるものを選ぶこと。嫌々取り組むのであれば脳によい影響を与えることはできません。
単純に好きなものに取り組みましょう。
またこれらのゲームは、多くの人と交流するよい機会になります。仲間と楽しみを分かち合うことも、脳の健康維持に役立つのです。
高齢者向けのレクリエーションによく利用されるのがトランプです。
ポーカーやババ抜き、神経衰弱などさまざまなゲームがあるため飽きることはありません。そして大勢で楽しむことができるので、脳によい刺激を与えてくれます。
できれば大きめのトランプを用意しておくと、文字や柄が見えやすく手で持ちやすいです。
ゲーム選びに迷ったら、ババ抜きがオススメ。どの世代も楽しむことができ、盛り上がること必至です。脳によい刺激を与えましょう。
計算力を司っているのは、脳の前頭葉の部分。前頭葉は判断力や遂行力も備わっており、認知機能において重要な部分です。
前頭葉は加齢による脳の老化により、機能が低下する場合があります。そして前頭葉がもつ機能の中でも、比較的早い段階で衰えるのが計算力なのです。
実際認知機能を確かめるMMSEテストにも、簡単な計算問題が含まれています。
計算力を鍛えることは、認知症予防によい影響を与えることに。そして計算をすることが計算力のトレーニングになるのです。
楽しみながら取り組めるよう、まずは簡単な足し算や引き算からはじめてみてはいかがでしょうか?
カナダ・トロント大学のDr.Raza Naqvi率いる科学者たちにより、「認知症の発症リスクをもっとも下げるものは何か」という実験が行われました。
65歳以上の約25,000人を対象に行い、サプリメントや運動など32種類で調査。そしてパズルによる脳トレーニングが効果を発揮したという結論になったのです。
ジグゾーパズルは、色の判別・図形の認識・記憶・知覚統合力・空間把握力など脳を活発に動かす作用があります。認知症予防に役立つことは十分に考えられますね。
現在は多種多様なジグゾーパズルが販売しているので、興味のある絵柄のパズルにチャレンジしてみてください。
イギリスのエクセター医科大学などの研究チームが2017年7月に、「クロスワードパズルをよく解く人ほど、脳の認知力テストの成績がよい」という調査結果を発表。注目されています。
認知症ではない50〜96歳の健康な男女約1万7000人を対象に、調査を実施。
「記憶力」「集中力」「推論力」など9つの項目について調べたところ、クロスワードを頻繁に解いている人ほどテストの成績がよかったことが判明しました。
とくに「短期の記憶力の正確さ」と「文法的な推論の早さ」においては、平均で約10歳若い年齢の人と同程度の成績だったそうです。
引き続き臨床試験を行うとのことですが、クロスワードパズルは脳をおおいに刺激するので、認知症予防に効果がある可能性は非常に高いと考えられます。
クイズやなぞなぞは、普段脳の使わない部分を使うことで脳の活性化が期待できます。
脳を働かせることで、血流が向上。神経細胞の情報伝達がスムーズなるのです。
冒頭にお伝えしたように「脳トレが認知症によい」という確たる証明はまだ出ていません。
しかし最近は認知症予防医が監修したなぞなぞ問題なども出ているので、うまく活用していきましょう。
「ギャンブルは認知症予防によい」こう聞くとちょっと意外かもしれません。
脳科学者である篠原菊紀さんは、パチンコやスロットで遊んでいる際の脳内の活動を測定。1カ月のスロットを使ったトレーニングで認知機能が向上したと発表しています。
パチンコやパチスロを通して脳の線上体が活性化。認知症予防につながるというわけです。
実際横浜にある高齢者向けのデイケアセンター「ラスベガス」では、ギャンブルで認知症を予防しようという取り組みが行われています。
スロットやパチンコ、バカラに麻雀などが楽しめる施設になっているのです。
もちろん過度にのめり込んでしまうのはまた別の面で危険ですが、脳に刺激を与えるという点ではよいですね。
ギャンブルと同様、テレビゲームも認知症予防につながるというのは意外です。
アメリカ・カリフォルニア大学のアダム・ガザレイ博士が行った実験。
健康な70〜80代の高齢者の方にテレビゲームを12時間やってもらったところ、注意力、集中力のほか、マルチタスク能力(複数のことを同時に行う能力)、記憶力などの能力が向上したそうです。
何と20歳の人よりも優秀な成績を修め、伸びた能力は半年間持続したとのこと。
ただし対象となったテレビゲームは、集中力や注意力を高める設計になっている運転ゲーム。脳トレ要素を含んでいるということでしょう。
一見脳によくなさそうと思えるものでも、やはり新しい体験は脳によい刺激をもたらすものなのです。
手指は「第2の脳」とも呼ばれるほど、脳に強い影響を及ぼします。そのため手遊びは、認知症予防が期待できるレクリエーションとして人気です。
手と指をしっかりと動かすことで、脳は活性化されます。
また手遊びは歌とを歌いながら行うので、2つのことを同時に取り組む作業になり、この点でも脳はますます活性化するというわけです。
文部省唱歌にも指定されている「むすんでひらいて」や、「大きな栗の木の下で」は誰もが知っている簡単な手遊びソング。
ユーチューブなどの動画サイトに多く投稿されているので、チェックしてみましょう。
最近は認知症予防向けのおもちゃ・グッズが、数多く開発されています。
遊びながら脳を活性化できるので、利用してみるのもよい方法ですね。
たとえばタミワという会社が出している脳活性化グッズ、健康ミラクルボールはテレビでも度々取り上げられています。
ボールを握り手首を動かすだけで、脳を刺激して活性化。認知症予防に役立ちます。
手軽・簡単に取り組むことができますよ。
認知症予防として介護の現場でも人気なのが、おしゃべり人形を使ったドールセラピー。
ドールセラピーとは、赤ちゃんの人形を抱かせることで人の感情にアプローチ。認知症の症状をやわらげる治療法です。
元々はオーストラリアで生まれた「ダイバージョナルセラピー」と呼ばれる、気晴らし療法が発祥。
赤ちゃんの感触を思い出し、赤ちゃんの世話をしなくてはいけないという感情を引き出すことが目的です。
人形に抵抗がある方は、ぬいぐるみで代用するとよいそうですよ。
折り紙・切り絵を、認知症予防のレクリエーションとして取り入れている施設は多いです。手先を使うので、脳の活性化にはもってこいですね。
折り紙・切り絵が脳によい影響をもたらす要因として、以下3つの点が挙げられます。
何よりも折り紙や切り絵は楽しい作業。楽しく取り組むという点も、認知症予防に役立ちます。
「読書が認知症予防に役立つ」ということを理解できる方も多いのではないでしょうか。
アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校の研究チームの発表によると、読書習慣がある人はアルツハイマーの原因とされている物質アミロイドβの形成を、抑制する傾向があるそうです。
文字の認識は脳機能を活性化させ、さらに想像力も高まります。
オススメは、音読にもチャレンジすること。声に出して読むことは脳トレになるという報告があり、1日10分を目安に音読するだけでも効果があります。
また普段は読まないジャンルの本を読むことも、脳によい刺激を与えるそうですよ。
インドとイギリスが行った調査で、2か国語を話せる人はひとつの言語しか話せない人と比べて、認知症になる年齢が遅いことが判明しました。
平均して4.5年も遅くなるとのことです。2か国語を話せるということは、バイリンガルの方ですね。648人の認知症をもつインド人が調査対象になっています。
インドのスバルナ・アラディ氏によると、言語学習が脳全体のエクササイズになっているとのことでした。
また脳科学者として有名な茂木健一郎さんは、朝の英語学習が脳に効果的であると伝えています。
夜寝ている間に記憶が整理されるので、朝起きた時は一番効率よく学習できる。
そして1日のはじめに英語に触れることで、脳の英語回路が活性化。英語に接した時の処理速度が異なって来るのだそうです。
まったく異なる言語を学ぶのと脳が活発になるという点は、よくわかります。
最近はネットでネイティブの人と英語レッスンができる、オンライン英会話スクールもあるので活用してみるとよいでしょう。
認知症予防のために鍛えたい機能のひとつに、「計画力」があります。
計画力とは、新しいことを行うときにうまくいくよう段取りを考えて実行する能力。
この計画力が低下すると、新しい挑戦をしなくなるようになり、生活が単調に。認知機能の低下が進んでしまうのです。
そこで計画力を鍛える必要が出てくるのですが、やはり新しいことにチャレンジすることが効果的。習い事をはじめることで、楽しみながら計画力を鍛えられるのです。
シニアの習い事として人気なのが、語学・楽器・料理・カメラ・社交ダンスなど。いずれも楽しく活動することで、認知機能の低下を防ぐことができます。
興味のある習い事をみつけて、ぜひチャレンジしてみてください。
勉強をすることで認知症を防ぐ、「学習療法」という方法があります。
学習療法は勉強を通じて、高齢者の方と介護スタッフがコミュニケーションを取ることで、脳を活性化させることが目的。
療法によって以下の効果が期待されます。
東北大学の研究で、認知症の方々に半年間の間、簡単な読み書きと計算、コミュニケーションを続けてもらったところ、以下の改善がみられたそうです。
重要なのは継続して学べる分野であること、そして勉強仲間ができればなおよいですね。
「音楽療法」もまた認知症予防のひとつ。
欧米ではすでにポピュラーなのですが、日本ではまだまだ認知度が低い。音楽療法士という資格が存在するのです。
音楽療法では、療法士の資格を持ったセラピストが音楽を聴いたり歌を歌ったり、歌詞について語り合うなどの対処を行います。
対応の内容は患者の個々の状態によって異なり、データにもとづいて行う点がポイントです。
日本音楽療法学会の名誉会長はあの、日野原重明先生が務めていました。興味のある方は、音楽療法士の方に依頼をしてみましょう。
認知症予防に効果があると期待されているのが、カラオケ。実際に認知症患者がカラオケ教室を利用したことで、もの忘れが改善されたという事例が多数あるそうです。
カラオケが認知症によい理由は、脳を活性化するうえでたくさんのメリットがあるため。
カラオケの発音は、音読と同様の効果があり脳に刺激を与えます。また音程やリズムを取る必要があるため、カラオケ中は脳がフル回転するのです。
さらには歌詞を覚えることで記憶力を鍛え、大勢と歌うことで感情表現が活発にあります。
歌っている時は、「幸せホルモン」と呼ばれるドーパミンやノルアドレナリンが脳内に分泌されるので、幸福感に満ちる。このようにさまざまな効果が期待できます。
歌う曲については、昭和歌謡や演歌がよいそうです。わかりやすい歌詞で情景が想像しやすい。そして昔を思い出すことで、記憶力が高まるためです。
2014年にアメリカの研究チームが、楽器演奏が認知症予防になるという内容を発表しました。
157組の双子を対象に、片方の人に楽器を演奏させてどのような変化があるかを調査。
すると楽器を演奏した人はしていない人に比べて、認知症になる確率が64%も低くなっていることが明らかになったのです。
楽器の演奏は両手を使い、楽譜やリズムなど考えることも多い。よって脳の活性化につながるというわけです。演奏仲間ができればなお、脳によさそうですね。
認知症予防のために鍛えたい機能のひとつに、「注意分割機能」があります。注意分割機能とは、複数のことを同時にこなす機能のこと。
たとえば「料理をしながらラジオを聞く」「掃除をしながら洗濯をする」といった具合です。同時に複数のことをこなすには、それぞれに注意を払うことが必要。
この注意分割機能が低下すると、うっかりミスが増えることに。
注意分割機能を鍛える方法を「デュアルタスクトレーニング」と呼びます。日常で頭と体を使う行為を組み合わせていくのです。
「歌詞をみながらカラオケを歌う」「歩きながら会話をする」「料理をしながら歌を歌う」など、簡単・手軽にできるのがメリット。普段の生活の中に取り入れてみてください。
旅行会社のクラブツーリズムが東北大学と共同で研究を行っているのが、「旅行が認知症予防にもたらす効果」。
2016年に開始して、3年間の調査を予定しています。
すでに60歳以上の男女45人を対象にプレ調査を実施。旅行に行くことで認知症になりにくい可能性がすでに示唆されているとのこと。
旅行の効能は、「運動(軽い運動を含む)」と「知的好奇心の高さ」両方を体験できるという点。
いずれも脳の活性化につながるので、よい調査結果が出る可能性は大きいですね。
近年流行りのユーチューバー。今では「シニア系ユーチューバー」と呼ばれる方々が、次々と誕生しています。
ユーチューバーになって動画を投稿。上手くいけば収入も入るので、趣味と実益を兼ねた方法といえます。
ただ投稿するだけでは、誰にも見てもらえません。
よって「どうすれば多くの人に見てもらえるか?」と、頭をフル回転させて企画を考えるように。ボケている暇はありませんね。
まさに令和にふさわしい、これからの時代のボケ対策といえます。
最近認知症予防によいと注目されているのが、アロマです。
鳥取大学医学部保健学科教の授浦上克哉先生が、2005年に「アロマは認知症予防に効く」という研究結果を発表しています。
認知症患者10人に1か月間、脳の若返りが期待できる4種類のアロマを芳香してもらったところ、認知症の治療薬とほぼ同じ効果が確認されたのです。
認知症によいとされている4種類のアロマは、以下の通り。
ローズマリー・カンファー |
昼用。集中力が増す効果が期待できます。 |
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レモン |
昼用。気持ちが高揚する効果が期待できます。 |
真正ラベンダー |
夜用。安眠できる効果が期待できます。 |
オレンジ・スウィート |
夜用。高いリラックス効果が期待できます |
またポイントとなるのは、植物から丁寧に抽出された混じりっ気なしで天然由来の精油を使うこと。
アロマディフューザーを使って、香りを楽しみましょう。
紹介している画面は「色読み脳年齢テスト」といって、取り組むことで前頭葉を鍛える効果があります。
テレビ番組「駆け込みドクター!」などでも紹介されているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
ルールは簡単。「色」と書かれている行は書かれている文字を気にせずに色を、「読み方」と書かれている行は色を気にせずに文字を読み上げます。
最後まで読み上げた時間で、脳年齢の目安がわかるという仕組みです。
やってみるとなかなか楽しい。定期的に取り組んで、脳を活性化させてみてくださいね。
認知症予防にタブレットを利用する方は、少なくありません。高齢者になるとインターネットに疎い人が多く脳をフル活用するため、よい影響をもたらしてくれるのです。
さらに指先をつかって操作するのも利点。「手は第二の脳」と言われるほどで、手先を動かすことは脳によい刺激を与えることになります。
スマートフォンではなく、タブレットを使うのは画面が大きく文字が見やすいから。
さらに脳トレアプリで遊んだり、フェイスブックなどのSNSで情報発信、音楽を聴くなどあらゆるツールが脳を活性化させてくれます。
日記を毎日書くことは毎日を振り返るので、記憶力の向上になります。
また日記はパソコンで打ち込むのではなく、手書きがオススメ。漢字を思い出す行為が入り、脳によい刺激となるのです。
認知症のパイオニアとも呼ばれている、医学博士の金子満雄さんが考案した「認知症予防日記」という日記があります。
認知症予防を目的に作られており、「日付けを確認する」「1日を振り返る」「季節を感じる」「楽しみを見つける」という4つを毎日こなす形式。
興味のある方はぜひ、予防日記をつけてみてください。
アメリカの研究機関が行った実験で、新聞や雑誌を読む行動をとっている人はしていない人と比べて、アルツハイマー型認知症を発症しにくい傾向があることがわかりました。
実験結果の背景にあるのは、知的行動であるということ。内容を読むことで脳が働かざるを得ない状況になっているのです。
ただ漫然と読むのではなく、意識したり工夫したりすることで、脳はさらに活発になります。
たとえば読んだ情報からその情景を想像したり、裏側にある事実などに思いを馳せるのです。また音読(朗読)も非常に効果的。
口・喉・耳も活用することになるので、脳によい刺激を与えてくれます。
おしゃべりをすることは、認知症の予防に効果的です。
まず会話をする時は脳をたくさん使います。口や舌を動かすための前頭葉の運動野、側頭葉の聴覚野、記憶に関わる海馬など脳はフル回転状態に。
さらに会話はストレス解消につながります。ストレスをためると認知症になりやすい傾向があるため、これを防げるのです。
家族や周囲の人との会話をなるべく多くもつようにしましょう。
世界25か国の睡眠時間を調査した結果では、日本は2番目に睡眠時間は短い国になっています。多くの日本人が睡眠不足というわけです。
睡眠不足はさまざまな面で認知症リスクを高めてしまいます。
まずアルツハイマー病は脳にアミロイドβがたまることが原因で起きますが、マウス実験では睡眠不足になるとより多くのアミロイドβがたまるという結果に。
最近の研究で、人間も同じ傾向であることも判明しました。
また睡眠不足になると成長ホルモンが不足します。成長ホルモンは認知機能と深い関係があり、不足すると認知機能が低下してしまうのです。
さらに認知症のリスクであるメタボリックシンドロームになりやすくなったり、抗酸化作用をもっているメラトニンと呼ばれる成分の分泌が低下するなど何もよいことはありません。
30分以内の昼寝も効果があるので、1日の中で十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。
掃除をすることはさまざまな面で、認知症予防に役立つといわれています。
まず掃除は軽い運動になります。運動の欄に書きましたが、有酸素運動は認知症予防によいのです。
そして同時に複数のことをこなす必要があるので、注意分割機能を鍛えるデュアルタスクトレーニングになります。
掃除機でゴミを吸い取ったり雑巾がけをしたりと、さまざまな方法で掃除をしましょう。
さらにはストレス解消。掃除が終わると心もスッキリします。ストレスは認知症の原因になるので、予防効果があるのです。
毎日の掃除も認知症予防によいと思えば、楽しく取り組めそうですね。
ペットを飼うことは、認知症予防によいとされています。その根拠は3点。
まず動物を飼うと記憶力が鍛えられます。散歩の時間や食事の時間を覚える。予防注射の時期の確認などもそうですね。
次に運動量が増える。犬であれば外に散歩に出かけて、よい有酸素運動になります。
散歩に行かずに室内で飼う場合でも、動物を追いかけたりエサの準備をしたりと間違いなく行動量は増加。
運動は認知症予防に役立つので、よい影響をあたえてくれるというわけです。
最後に会話ができる点も。動物とは、人が話した反応によって会話が成立します。
コミュニケーションが深まれば心の交流が生まれるようになり、脳の活性化になるのです。
その意味において、日常からコミュニケーションが取れるよう室内飼育をオススメします。
世界的に権威がある医学雑誌『The Lancet』が2017年7月に発表した論文で、「難聴」が認知症のリスクになるという論文が発表されました。
中等度の難聴がある人は、認知症のリスクが1.6倍になっていたのです。
米ジョンズ・ホプキンス大学のフランク・リン博士らの論文では、2つの原因を指摘しています。
ひとつは社会的に孤立になり、コミュニケーションによる刺激が薄れ精神的にもストレスがかかってしまうこと。
もうひとつは聴き取れなかった内容を推測しようとするため、認知的な負荷がかかってしまうのです。負荷がかかると全体的な認知能力が低下する可能性を示唆しています。
難聴を予防するには、「生活習慣病を防ぐこと」と「大音量や騒音を避けること」が重要。大音量でテレビを見ることは控えるようにしましょう。
アメリカの医学雑誌『Journal of Clinical Nursing』など複数の資料において、ツボ療法によって認知症の改善がみられたという報告が掲載されています。
日常的に簡単にできる万能ツボは以下の通り。位置の詳細はここでは省きますが、さまざまな本が出ていますので参考にしてみてください。
百会・四神聡・神庭 |
頭のツボ。脳の活性化、脳内の血流促進に効く |
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脳ゾーン・湧泉・副腎 |
足裏のツボ。脳の活性化、臭神経の活性化、血流の促進など |
三陰交・血海・足三里 |
足のツボ。血流の促進や元気の回復など |
神門・内関・合谷・手の三里 |
手のツボ。心・精神の安定、脳の血流促進など |
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紹介した方法の中で「自分でもできそう」と感じたものをいくつか見つけられたのではないでしょうか?
日常生活の延長として取り組めるものばかり。認知症は周囲の人に迷惑をかけるものでもあるので、やはりなりたくないものですよね。
全体的にいえることは、脳は使えば使うほど活性化するということ。新しく刺激的な体験を日々行うことこそが、認知症予防の秘訣です。
せっかくの機会ですので、今まで縁がないと思っていた趣味などにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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