街を歩いていると、犬を連れている人を見かけます。
そんな姿を見て「自分もペットを飼ってみたい」と思う、シニア世代の方もいるのではないでしょうか。
とくに現在ひとり暮らしの方は、日々を過ごすパートナーとしてペットを望む方も多いこでしょう。
しかし一方で「私の年齢で今から動物を飼って、果たして大丈夫だろうか?」と不安になる方もいるはず。
そこで今回はシニア世代の方におすすめのペットや、ペットを飼う際に気を付けておきたい点などを紹介します。
ツイート
ペットを飼いたいのに、躊躇してしまう理由。
それは「最後まで、自分で見届けることができるのか?」という点ではないでしょうか?
よって自分の体力や将来を考慮して、飼う動物を選ぶ必要があるわけです。
たとえば犬の平均寿命であれば14歳。そして厚生労働省によると、男性は79.64歳、女性は86.39歳(平成22年)が日本人の平均寿命。
健康寿命も考えるのであれば、60代のうちに犬を飼っておくのがベストといえるでしょう。
ペット葬儀の紹介サービス「メモリアルナビ」によると、ペットを飼っている60歳以上の方にアンケートを実施した結果では89%以上の方が「ペットを飼い続けたい」と回答。
高齢者と呼ばれる年代になっても、ペットを飼う意欲は依然高いことが伺えます。
しかし一方で動物臨床医学会のデータでは、ペットの所有権を放棄した人の年齢は60代(31.5%)と70代(24.8%)の割合がもっとも高いという結果が。
「意欲はあるけれど、体がついていけない」という現実があるのです。
もちろん自分に何かあった場合、自分の代わりに世話をしてくれる人が、あらかじめいるのであれば問題なし。
しかしそうでない場合、ペットを悲しい気持ちにさせないよう、最後まで見届けられることを前提に飼うようにしましょう。
つまり「ペットは何歳まで飼えるの?」という質問に対しては、「飼うペットを選別することで、飼う年齢を引き伸ばすことができる」という回答になります。
シニアの方がペットを飼った時、どのようなメリットとデメリットがあるのかをまとめました。
歳を重ねるとどうしても人間関係が希薄になり、寂しい気持ちになります。
そんな時に自分を必要としているペットの存在は、とても大きい。
「ペットに頼られている」という使命感により心にハリが生まれ、充実した毎日を過ごせます。
飼う動物にもよりますがたとえば犬の場合、毎日散歩をする習慣が生まれます。
毎日歩くわけですから足腰が強くなり、健康によいことはいうまでもありません。
歳を重ねると、外に出ることがおっくうになりがち。
しかし習慣にすることで、自ら能動的に体を動かすことが可能です。
ペットを飼うと毎日決まった時間にエサをあげたり散歩に連れてってあげたりと、やることは多い。
さらに脳をフル回転させ、ペットが意図することを汲み取とろうと努力します。
「お世話をしなければ」という気持ちで日々ペットと向き合うため、脳は自ずと活性化するのです。
認知症予防にも、ひと役買うことになります。
ペットを飼うことで、今までになかった人々とのご縁が生まれます。
たとえば散歩をしていると、公園などで飼い主の方々との交流が生まれることに。
また近所の人とすれ違う機会も増え、地域での孤立を防ぐ効果も。
さらには地域のペット病院で働く方々とのご縁も、生まれることでしょう。
このように地域での人脈が広がり、生活するうえでの安全性が高まります。
エサ代や病気になった時の治療費など、ペットを飼うのであればそれなりにお金がかかります。
ペットショップで購入するのであれば、ペット代や住むための小屋代など初期費用も。
シニア世代の方は基本的に年金生活なので、「責任をもってペットを幸せに育てるために、必要なお金が出せるか」をしっかり検討する必要があります。
飼い始めた時は元気だったとしても、どうしても体の衰えは来るものです。
体力が衰えると餌をあげることがおっくうになるなど、ペットの飼育に悪い影響を与えてしまいます。
途中で飼育放棄にならないよう、体力が衰えてきた時の対処法を想定しておきましょう。
長期の旅行や急な入院など、ある程度まとまった期間家を空けるのは難しい状況になります。
ペットホテルなどに預けることもひとつの手段ではあるのですが、長ければその分だけ料金がかかります。
家を空けなければいけなくなった時、ペットをどこに預ければよいかあらかじめ想定しておきましょう。
デメリットの欄にも記載しましたが、どうしても自分で飼えなくなった時のことを考えておきましょう。
一番ベストなのは、信頼できる人に預けること。しかしなかなか難しい方も、いるかと思います。
その他の方法としては、下記が挙げられます。
・里親探し代行サービスを利用する
・ペット可の高齢者向け施設に入る
・動物愛護市民団体に預ける
くれぐれも寄り添ってくれたペットを、悲しませないことが肝心です。
ペットは基本的に、室内で飼うようにしましょう。
外で飼うとノミやダニ、蚊などをはじめとする感染症にかかりやすくなります。
ちなみに外で飼うと、寿命が短くなるとされています。感染症の他に、気温の変化や騒音などによるストレスも懸念されるのです。
また動物を経由して自分が感染するリスクにも、注意しなければいけません。
動物から人間へうつる感染症のことを、動物由来感染症と呼びます。有名なところでは、狂犬病がありますね。
普段からできる予防として、動物に接触する前後で、手洗いや手指用アルコールでの消毒を行うようにしましょう。
【参考記事】厚生労働省「動物由来感染症を知っていますか?」
ペットも人間と同様、高齢になるにつれて病気にかかりやすくなります。
そして人間と違い健康保険もないので、医療費が高額になりがち。
ですのでまだペットが若いうちから、ペット保険に加入するようにしましょう。
備えあれば憂いなしです。
下記3つのポイントを踏まえ、高齢者の方にオススメのペットをランキング形式で紹介します。
・飼う際の体力的・金銭的な負担
・ペットを飼う際にもたらす効果
・ペットの平均寿命
平均寿命:14.29歳(全国犬猫飼育実態調査より)
犬はコミュニケーション能力が高く、一緒に寄り添えるパートナーとして飼いがいがあります。
また散歩をする必要がありますので、外で歩く習慣ができて健康にもよいでしょう。
ただ大型犬だと体力的に負担が大きいので、ヨークシャーテリアやチワワ、トイプードルなど小型犬をオススメします。
平均寿命:4〜8年
省スペースで飼育できるため、一人暮らし用の部屋でも問題ありません。
また大きな鳴き声をあげることもなく、アパートなどの集合住宅でもご近所の方に迷惑をかける恐れもない。
適度なコミュニケーションを図れば、ちゃんとなついてくれます。ただ一匹だけで飼うとストレスを与えてしまうので、複数飼いをしましょう。
平均寿命:15.45歳(全国犬猫飼育実態調査より)
散歩やトリミングの必要がなく、やることは餌を与えることとトイレ掃除くらい。
お世話に手間があまりかからないのが、メリット。また予防接種など経済的に犬より負担が少ないことも、よいですね。
気性の激しいシャムネコなどは避け、比較的穏やかで落ち着いたラグドール、スコティッシュ・フォールド、ブリティッシュ・ショートヘアーなどを飼うとよいでしょう。
平均寿命:7〜8年
ウサギは幼稚園や小学校で飼われていることが多いように、比較的飼いやすい動物です。
大きな鳴き声を出して近所迷惑になることもないし、散歩にいく必要もありません。
また人懐っこく穏やかな性格のウサギが多く、セラピー的な効果も期待できます。
平均寿命:5〜8年(小型) 10〜15年(中型)
インコは大きさにより寿命が異なります。セキセイインコなどの小型、オカメインコなどの中型を選びましょう。大型のヨウムなどは、30年以上も生きるのです。
インコは賢く、言葉も覚えます。人懐っこく遊び好きなので、とくにひとり暮らしなどで寂しさを感じる方には最適といえるでしょう。
エサも1日1回エサ入れにいれておけば、インコが適宜小分けに食べてくれるので、負担がかかりません。
平均寿命:2〜3年
寿命が比較的短いため、別れが早いのは寂しいですね。また夜行性のため、夜中に動き回ってうるさくなるリスクも。
しかし経済的にそこまでお金がかからず、世話が楽な点は魅力。やることはエサやり、水の取り換え、軽い掃除程度です。
またなんといっても、可愛らしいフォルムが魅力。懐いてくると、さらに愛おしくなります。
平均寿命:2〜5年
今では自動餌やり機がるので、お世話はほとんど負担になりません。そしてなによりも癒されます。
またサイズや種類が豊富なため、コレクション性も高い。自分の好みにあわせて水槽の中身をカスタマイズする楽しさがあります。
ただし長期で家を空けずらかったりするので、その場合の対応を考えておきましょう。
歳を重ねていくとどうしても友達も減り、寂しい気持ちになりがちに。
環境や体力が許すのであれば、ぜひペットを飼うことを検討してみてください。
ただし一度飼ったあとは、最後まで愛情をもって育てる覚悟が必要です。
ペットの存在はあなたの日常に、豊かな彩りを添えてくれることでしょう。
シニア世代の方にオススメの趣味をランキング形式で紹介します。
シニアの方々が元気になる、高齢者の方が活躍する映画を厳選して紹介します。
初心者でもわかるクルーズ旅行の楽しみ方について紹介します。
ツイート