満期保険金にかかる税金と対策の基礎知識【2024年版】

生命保険の満期保険金には税金がかかるケースも

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満期保険金にかかる税金

 

生命保険の中には生きているうちに満期を迎えると、満期保険金が支払われる「生存保険」と呼ばれる商品があります。

 

長年に渡り支払っていたお金がまとまって戻ってくるため、とても嬉しいですね。

 

しかし状況によっては満期保険金に、税金がかかるケースがあります。

 

このページでは満期保険金の税金に対する基礎知識、さらには税金対策について紹介します。

 

 

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満期保険金が出る保険商品

満期保険金が出る保険商品として、大きく2つの種類があります。

 

養老保険

契約中に亡くなれば「死亡保険金」を、死なずにそのまま満期をむかえれば「満期保険金」が支払われる商品です。

 

どちらにしろ支払いがあり、バブル期は予定利率5%超えの保険として人気でした。

 

お金が必要になる年齢を満期に設定することで、それまで貯金を積み立てることができます。

 

学資保険

子どもやお孫さんの教育資金を、準備するための保険です。

 

対象者が出生前、または新生児の段階で契約するケースが多い。

 

そして大学などの入学時に、満期保険金が支払われて学費として活用できます。

満期保険金を受取るまでの流れ

満期保険金を受取るまでの流れ

 

契約している保険が満期をむかえ、満期保険金を受取るまでの流れをまとめました。

 

ステップ1

満期のおよそ1か月半前までに、契約している保険会社から郵送で案内が届きます。

ステップ2

手続き用の書類に必要事項を記入し、保険会社に送付します。

ステップ3

保険会社が届いた書類を確認。約1週間かかります。

ステップ4

書類に問題がなければ保証満了日以降に、指定の銀行口座に振込まれます。

受取金と受取り方によって税金が異なる

満期保険金の受取り

 

さて気になる満期保険金受取後の税金ですが、「誰が受取るのか?」「どの方法で受取るのか?」によって税金が変わっていきます。

 

保険金受取人 税金の種類
保険契約者と同じ(一括受取) 所得税(一時所得の扱い)
保険契約者と同じ(年金受取) 所得税(雑所得の扱い)
配偶者 贈与税(一般贈与)
20歳以上の子どもや孫 贈与税(特別贈与)


では次に保険金受取人別に、税金がかかる場合と実際にどのくらいの税金になるのかを解説します。

本人が受取るケースと計算方法

保険契約者と受取人が同じ場合は「所得税扱い」

契約者が満期保険金を受取る場合は、所得税になります。

 

さらに一括で受取る場合は一時所得、年金として分割で受取る場合は雑所得の扱いです。

 

かかる税金の計算方法

満期保険金にかかる税額は、下記で計算します。

 

一時所得(一括受取)の場合

【手順1】(満期保険金-今まで支払った保険料の総額-50万円)×1/2=一時所得
【手順2】所得金額の税率に合わせて税金を算出

事例(年収300万円。満期保険金が1000万円で支払総額が800万円の場合)

【手順1】(1000万円-800万円-50万円)×1/2=75万円
【手順2】75万円×10%=7.5万円

 

50万円というのは、国が一律で定めた特別控除額です。

 

つまり今まで支払った保険料の総額が、満期保険金と50万円の合計額より安ければ、税金は発生しません。

 

雑所得(年金受取)の場合

【手順1】1年分の満期保険金×(《満期保険金の総額-今まで支払った保険料の総額》÷満期保険金の総額=雑所得
【手順2】所得金額の税率に合わせて税金を算出

事例(年収300万円。満期保険金が1000万円で支払総額が800万円、毎年の受取額が100万円の場合)

【手順1】100万円×(《1000万円-800万円》÷1000万円=20万円
【手順2】20万円×10%=2万円

 

一時所得に比べて支払う額が減ります。

 

受取期間中は毎年税金を支払い続ける必要がありますが、特別配偶者控除が使えるのがメリット。

 

さらに受取総額が増えることもあります。

 

本人以外が受取るケースと計算方法

「誰が受取るか」で贈与税の税率が異なる

今まで保険料を支払ってきた人以外の人が受取る場合、贈与税として税金が発生します。

 

さらに誰が受取るかでも異なり、一般贈与特別贈与にわかれます。

 

一般贈与 配偶者・兄弟・未成年の子どもなど
特別贈与 20歳以上の子ども・孫など

贈与税の計算方法

(受取った満期保険金×受取金額に合わせた税率)- 受取金額に合わせた控除額=税金

【事例1】一般贈与(受取った満期保険金が1000万円の場合)

1000万円×40%-125万円=275万円

【事例2】特別贈与(受取った満期保険金が800万円の場合)

1000万円×30%-90万円=210万円

 

贈与の形を取るので本人受取に比べ、税率は高くなります。

 

また贈与税の中でも一般贈与の方が、税率は高いです。

確定申告が不要なケースと必要書類

確定申告

 

確定申告が不要な場合

お伝えしたように基本的に満期保険金を受け取った場合、税金は発生します。そのため確定申告を行う必要があるのです。

 

ただし状況によっては不要になるケースも。不要なケースを下記に挙げました。

 

・保険契約者と受取人が同一で、満期保険金が支払総額+50万円より安い
・満期保険金の所得と給与所得以外の所得との合計が20万円以下の場合

 

実際バブル崩壊後、保険の予定利率は下がっています。

 

現状一時所得扱いの場合、税金が発生するケースはほとんどないといえるでしょう。

 

確定申告時の必要書類

確定申告を行う際は、下記書類の提出も必要となります。

 

・満期金の受取り通知書
・支払い明細書(一時所得の場合)

 

お金の動きを証明する書類が必要というわけです。

 

ちなみに申告をせずに税務署に指摘された場合、無申告加算税と延滞税がプラスされた額を支払わなければいけません。

 

保健額が100万円を超える場合、保険会社から税務署に支払調書が渡っているので必ずバレます。

 

対象者はしっかりと納税しましょう。

 

満期保険金にかかる税金の対策

満期保険金を受け取る際にできる、節税対策を紹介します。

 

一括受取(一時所得)の場合

満期保険金と支払った保険料の差額が大きく、税金がかかってしまう場合は分割受取りに切り替えましょう。

 

解約前に減額して翌年に残りの分を受取ることで、税金を支払う額を減らせます。

 

 

贈与として受取る場合

贈与税の税率は、所得税に比べて高いです。

 

あなたが保険料を支払い、受取人を別の人に設定している場合は、あなたを受取人として変更しましょう。

 

所得税扱いにすることで、税率が一気に下がります。

まとめ

満期保険金には税金がかかり、受取人や受取り方法によって税金の種類が異なります。

 

また税金の種類を把握しておくことで、節税対策にもつながるわけです。

 

満期保険金は、老後の資金として大変貴重。

 

何も考えずに単に受取るよりも、税金の仕組みを知りベストな形で受取るようにしましょう。

 

 

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