老後も住宅ローンが残っている人へ|老後破産の現状と対策【保存版】

老後の住宅ローンで破産しないための回避術

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老後に住宅ローンが残っている

 

定年退職を迎えると、いよいよ年金生活がはじまります。

 

当然ながら収入は激減し、老後資金を切り崩しての生活に。さらには医療費の増加も気になるところです。

 

このような状況においてまだ住宅ローンが残っている場合、そのリスクは非常に大きい。

 

65歳を超えてまだローンの返済がある方に向け、現状と対策を解説します。

 

 

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老後破産の現状

老後破産の現状

 

老後破産という言葉が生まれたのは2014年。

 

NHKスペシャルで取り上げた際の造語として誕生しました。

 

年収が生活保護水準を下回りながら保護を受けることなく、年金だけでギリギリの生活を続けている。そして病気になったり介護が必要になると、とたんに生活が破たんしてしまう。

 

このような境遇におかれた高齢者を、「老後破産」と定義付けたのです。

 

さてこのような境遇の方は、実際どの位存在すると思いますか?

 

ひとり暮らしの高齢者数600万人の中で、年収が生活保護水準を下回っているのはなんと約半数。そして生活保護を受けている人は70万人にすぎないのです。

 

つまり全体の40%にあたる230万人が、老後破産の状態になっています。

 

少子高齢化が急激に進み、年金・医療・介護などの社会保障給付費は減ることは明白の事態。

 

このような状況下において、定年後もまだ住宅ローンが残っていたら…。

 

とても恐ろしいことです。

老後も返済が残る厳しさと原因

60歳以上の無職世帯の平均キャッシュフロー

総務省が出している「家計調査報告」によると、年金生活者になった途端毎月の家計収支が赤字になることがわかっています。

 

60歳以上の夫婦2人、無職世帯の毎月の平均キャッシュフロー

17.6万円(可処分所得)−24.7万円(消費支出)=7.1万円(毎月の不足額)

 

60歳以上の単身、無職世帯の毎月の平均キャッシュフロー

10.1万円(可処分所得)−14.3万円(消費支出)=4.1万円(毎月の不足額)

 

以上のように毎月マイナスになるため65歳まで働き、遅くとも65歳まで住宅ローンは完済するのが理想とされているのです。

 

毎月4〜7万円の赤字がある状態で、さらに住宅ローンも支払うとなると生活が困窮するのは明白。

 

同じく総務省の家計調査によると月10万円、年にして120万円のローン返済が残っていた場合は、年間170万〜220万円もの赤字になるのです。

 

10年間で約2,000万円資金が目減りしていくわけで、将来への不安が増す一方といえます。

 

老後貧乏にならないための理想的なローンの目安

ファイナンシャルプランナーの方の試算では、下記3つのポイントを押さえてローンを組むことで老後の安心が得られるとされています。

 

  1. 返済期間は遅くとも65歳まで
  2. 60歳時点でのローン残高目安は600万〜700万円以内
  3. 子どもの教育費を出しながらも、貯蓄ができる目安の返済額にする

 

現役世代の時にムリをしない形でローンを組んでおく。

 

この3点を守ることで65歳までの完済、同時に老後資金を貯めておくことができるのです。

 

すでにローンを組み終えている方は、この理想に近い状態でしたでしょうか?

 

35年ローンの危険性・同調圧力の恐怖

実際に住宅ローンを組んでいる方は35年で組んでいる方が多いです。

 

しかしその理由は住宅メーカーの営業マンから「実際に35年で組んでいる人が多いですよ」と言われて、何となく組んでしまったのではないでしょうか?

 

住宅メーカーとすれば儲けたいわけですから、お客さんの将来のことは一切考慮しません。

 

たとえば30歳に購入するのであれば、65歳完済なので問題はないでしょう。

 

しかし晩婚化がすすむ現代において、40歳で35年ローンを組むと75歳完済。定年退職後も苦しい道のりが待っているわけです。

 

中には「働けるうちに貯蓄をしておけばよい」と考えていたものの、子供の教育費(養育費)が予想外にかかってしまい、実際にはまったく貯金ができていなかったという方もいます。

 

以上のように老後になって住宅ローンの問題に直面し、苦しい状況に置かれている方も多いのではないでしょうか。

団体信用生命保険に頼る危険

団体信用生命保険に頼る危険

 

ローン返済が老後も残っている方の中には「団信があるから、自分が死ねば負債はチャラになる。だから完済はしなくていいんだ」と考えている方がいるかもしれません。

 

団信とは団体信用生命保険のこと。住宅ローン利用にあたり、必ず加入しなければいけない生命保険です。

 

団信では住宅ローンの契約者が死亡・高度障害状態になったときに、残りのローンを肩代わりしてくれる保険。

 

働き手の人が亡くなっても、家族に負担がかからないようになっています。

 

もちろん万が一の場合を考えると非常に便利な制度。

 

しかしそこにはリスクも潜んでいます。

 

男性の平均寿命は80歳を超えている

まず日本人の平均寿命は、年々長くなっているということ。

 

厚労省が2017年に発表した調査では、男性の平均寿命は81.09歳と過去最高を記録しています。

 

つまり存命中にローンを完済する可能性の方が高く、その間は毎月苦しい状態が続くことが予想されるのです。

 

返済中は当然老後資金は目減りし完済後に夫が死亡した場合、残った妻はひとり分の年金収入だけで暮らすことになります。

 

当然生活は困難を極めることになるでしょう。

 

病気やケガはカバーできない

お伝えしたように団信で保険金が支払われるのは、死亡・高度障害状態の時です。

 

高度障害状態というのは視力や言語機能を失ったり、手足を失ったりといった状態を指します。

 

つまり病気やケガで長期間働けなくなっても、返済は続けなければいけないのです。

 

生きているうちにいざとなった時、団信は役に立たないことがわかります。

 

以上のように団信に期待したところで、確率論からすれば期待外れで終わる可能性が高いです。

 

よって団体信用生命保険に頼ることなく、できる範囲のことに取り組み対策を打たなければいけません。

 

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老後に住宅ローンが残っている人の対策法

老後に住宅ローンが残っている人の対策法

 

老後に住宅ローンが残っているからと嘆いていても何も始まりません。

 

動けるうちにさまざまなアクションをすることで、将来の不安をなくすことが可能です。

 

ここでは実際にどのような対策法があるかを列挙したので、参考にしてみてください。

 

キャッシュフローを改善する

まず前提となるのがキャッシュフローの改善。

 

収入を増やして支出を減らせば、それだけお金に余裕が生まれてきます。

 

収入を増やすこと

慢性的な人材不足により、シルバー人材が注目されています。

 

定年後もまだ働ける体力があれば、ぜひセカンドキャリアにチャレンジしてください。

 

現在は多様な働き方があり、さらにインターネットを活用することで在宅でも働ける時代です。

 

「どうせどこからも採用されない」と思っていても、個人事業主として仕事ができるのです。

 

下記の記事を参考にしてみてください。

 

 

支出を減らすこと

普段何気なく生活していると、気づかないうちにムダな出費をしていたということが多々あります。

 

知らないと気付かない節約術が、たくさん転がっているのです。

 

節約を意識して行動するだけで、毎月の出費は劇的に抑えられるものですよ。

 

節約については下記の記事が外部サイトですが、量・質ともに充実しています。

 

一度普段の生活を見直して、できるところは積極的に取り入れるようにしましょう。

 

 

早期返済に取り組む

キャッシュフローの改善によりお金に余裕ができたら早期返済に取り組むべき。

 

まだ元気なうちに完済しておけば、将来の安心材料になります。

 

当初の計画よりローン返済を早めるには「繰り上げ返済」を行う必要があり、2種類の方法があります。

 

【1】返済期間短縮型

毎月の返済額は変わらないものの、完済時期を早めるやり方です。

 

たとえば300万円分をまとめて返済し、当初70歳完済だった予定を65歳に早めます。

 

この場合返済期間が短くなるため、短縮された期間に支払う予定だった利息が軽減されるのです。

 

【2】返済額軽減型

完済時期を変えずに、毎月の完済額を減らすやり方です。

 

たとえば300万円分をまとめて返済し、以降の毎月の返済額を従来の15万円から10万円に減らします。

 

完済予定期間は当初通り70歳のまま。

 

支払う利息は変わらないものの、毎月の返済額が減るメリットがあります。

 

どちらを選ぶかは家計の状況次第。

 

早期に完済できるのが理想ですが、毎月の返済額が減るのも大いに効果的です。

 

住み替えをする

現在の住居を売却し、売却したお金でローンの残金を支払い。

 

残ったお金でより安い住居を購入、もしくは賃貸で暮らす方法です。

 

思い切って田舎暮らし(地方では移住者向けの支援制度が充実しています)をしてみるのも面白いですし、物価の安い海外に転居する方も少なくありません。

 

現在所有している不動産がいくらで売却できるかにもよりますが、現在住んでいる家を手放してもよいのであれば、検討する価値はあるといえます。

 

不動産を売却したい方は、まずは見積もりを取りましょう。

 

最近は無料で不動産価値の査定をしてくれるサービスがあるので、便利ですよ。

 

 

リースバックを利用する

リースバックとは所有している住居を不動産会社に買い取ってもらい、そのまま賃貸契約をして住み続けるサービスです。

 

ローンの完済ができるうえ、現在の住居に住み続けられるのがメリット。

 

その後老人ホームなどへの住み替えもスムーズです。

 

ただしリースバックで売却する場合、周辺相場よりも売却価格が安かったり賃料が高くなるケースもあるので事前に確認するようにしましょう。

 

リバースモゲージを利用する

リバースモゲージとは現在住んでいる自宅を担保にして、金融機関から老後資金を借りることができる制度。

 

一見すると不動産担保ローンと似ていますが、大きく異なるのは返済方法です。

 

元金を毎月返済する必要がなく、その代わりに債務者が死亡した後に住宅が売却されて一括返済となります。

 

住宅を売却した後も住み続けることができるのは、リースバックと同じ。

 

「家を売ってお金をもうらが、そのまま住み続ける」のがリースバック。「お金を借りて住み続ける、死んだ後に家を売る」のがリバースモゲージです。

 

バースモゲージは収入が入ってくるので、キャッシュフローの改善が期待できます。

 

一方住宅を相続するのが不可能になるため、推定相続人の承認が必要。

 

また契約期間が終了した後も長生きした場合、家を失うリスクも存在します。

 

任意整理・個人再生をする

ローン残金の額がさほど多くないのであれば、任意整理(借金の分割払い)の方法が取れます。

 

任意整理は住宅ローンの将来利息や過払い利息、遅延損害金などを抜いたうえで、元本だけを返済する和解手続き。

 

最大5年(60回)までの分割返済ができます。

 

また継続的な収入があれば、個人再生手続(裁判所の決定により借金を減額した上での分割払い)を取れる可能性も。

 

この場合借金の総額を、3分の1から5分の1まで減額できます。

 

年金収入のうち余裕のある分を、可能な範囲で返済に充てる方法です。

 

いずれの方法においても持ち家を残すことはできます。

500円でお金の専門家に相談する方法

自分ではどうしてよいかわからないと判断に迷うようであれば、専門家の方に相談してみることをおススメします。

 

そんな時に便利なのがココナラというサービス。

 

さまざまな分野で活躍されている方が、それぞれの知識やスキルを販売しています。

 

そしてファイナンシャルプランナーなどが、老後資金に関する商品を提供しているのです。

 

ココナラで出品されている商品事例

 

他にもさまざまな商品があるので、一度プロの方に相談してみてください。

 

まとめ

65歳を超えて住宅ローンが残っている場合、今後の生活において大きな足かせとなります。

 

しかしだからといって何もしないでいては、現状は変わることはありません。

 

幸いさまざまな対策法があるので、将来を見据えて最善の手段を取るようにしましょう。

 

その際注意することは独断で決めるのではなく、周囲や専門家の方とよく相談することです。

 

皆さまが楽しいセカンドライフを過ごせるよう、当サイトは応援しています。

 

 

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